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第16回 手形・小切手

 前回は、損益分岐点売上高について勉強しました。今回は、友達が先輩にこんな電話をしたようです。

友達 「こんにちは先輩。我社も事業拡大の一歩として卸売りを始めること     にしました。でも、取引先の一部で代金の回収方法を現金、小切手、     手形でそれぞれ1/3づつにして欲しいと言うのですよ。我社は現金     商売が基本でしたから手形や小切手をもらうのは初めてなんです。そ     こで小切手や手形で取引する上で注意する点を教えていただきたいと     思いまして電話をしました。」                  先輩 「いいかい、手形や小切手は、遠隔地との取引が盛んになるにつれ、そ     の重要性が増し、現在の商取引では必要不可欠のものなんだ。それに、     流通性が高い分、危険と背中合わせといった面もあるから取引先の信     用調査を行うことも重要だぞ。じゃあ、まずは手形の注意点を説明す     るよ。                           」 ┌─手形を受け取るときの注意点───────────────────┐ │ 代金回収のために手形を受け取ってもそれだけでは代金を回収した事に│ │はなりません。その手形が決済されてはじめて代金の回収は完了します。│ │ですから手形帳などでしっかりと手形の管理を行いましょう。 │ │●手形の記載事項をきちんとチェックすること。 │ │・金額 =チェック・ライターで金額を打ってあるか。又は、│ │          漢数字で書いてあるか。約束通りの金額か。 │ │・受取人 =受取人の名前が正確に記載されているか。誤字、脱│ │          字はないか。 │ │・支払期日、振出日=必ず記載されているか。記載されていない時は、必│ │          ずその場で記載してもらうこと。 │ │・振出人 =正しい振出人の署名か。署名した人に権限があるか│ │          を確認すること。 │ │・訂正箇所 =記載事項に訂正箇所があるか。訂正がある場合は訂│ │          正印の有無を確認すること。金額を訂正し、訂正印│ │          のない手形は銀行が支払いに応じません。 │ │・収入印紙 =収入印紙が貼ってなくても、手形自体は無効になり│ │          ません。しかし、印紙税法違反手形となるため、規│ │          定通りの収入印紙を貼ってもらうこと。 │ └─────────────────────────────────┘ 友達 「手形1枚でこんなに注意することがあるんですね。手形取引を安易に     考えていると大間違いですね。」                 先輩 「そうだね。ちょっとした不注意で多大の債務を負うことも考えられる     から必要最小限の知識が必要ということだよ。じゃあ、次に小切手を     受け取るときの注意点を教えるよ。」           ┌─小切手を受け取るときの注意点──────────────────┐ │手形の場合と同じですが、その他として次の2点に気を付けて下さい。 │ │1.線引小切手にしてもらうこと。 │ │ 線引小切手とは2本の平行線が引いてある小切手です。平行に線が引か│ │ れたもので単に「Bank」「銀行渡り」と書かれているものを一般線│ │ 引小切手といいます。その小切手を銀行へ取立に出すと持参した人の口│ │ 座に入金されます。また、線の間に特定の銀行名が記載されたものを特│ │ 定線引小切手といい、線の間に記載されている銀行に対してのみ取立を│ │ 出すことになりますのでその銀行に口座がないと支払いを受けることが│ │ できません。 │ │2.先日付小切手で受け取る場合。 │ │ 先日付小切手とは、実際に振り出された日より先の日付を振出日として│ │ 記載された小切手です。要するに現在は口座の現金が足りないので、小│ │ 切手の振出日まで取引先に待ってもらうという手形のような役割を持つ│ │ 小切手です。しかし、この小切手も受取人が銀行へ取立をすれば振出人│ │ は支払わなければなりません。もし、支払うことができなければ振出人│ │ は不渡処分となる恐れもありますので注意して下さい。 │ └─────────────────────────────────┘ 友達 「なるほど。一つ気になるのですが、通常の小切手ではなく、わざわざ     線引小切手で受け取る事によってメリットがあるのですか?」 先輩 「実は、この2本線がたいへんな効力を持っているんだ。小切手を持っ     て銀行に換金に行っても即座にその小切手の金額を支払ってはくれな     いんだ。銀行は紛失や盗難防止をするために小切手を厳重にチェック     してから支払先の口座に現金を振り込むんだ。」  友達 「要するに万一、紛失や盗まれた小切手が支払われてしまっても被害者     は銀行を通じてお金を受け取った人がわかるという事ですね。早速、     我が社も線引小切手でもらえるように交渉しますよ。」 先輩 「そうだね。君の会社もこれからは手形や小切手の取引も多くなってく     るのだからミスがないようにしっかり勉強しろよ。」

 ミスのない手形・小切手の取り扱いを行うため今一度仕組みを見直してみてはいかがでしょうか。


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