第8回 定款と印鑑
今回は定款と印鑑について説明してきました。どちらも会社にとっては大切なものです。会社設立後は、対外的な信用を築いていく事が何よりも大切な時期です。印鑑を作り直したり、本店の住所を変更 したりでは取引先を混乱させるだけです。その結果、信用問題にもなりかねません。始めからきちんと決めておきましょう。友達「名前が決まったよ。株式会社マックス。なかなかでしょ。類似商号 もないようだよ。」 先輩「まあまあだな。でも名前も決まったことだし、いよいよ設立最終段 階だな。」 友達「そうだね。でもこの間、法務局で設立登記をする時は定款を持って くるようにと言われたんだけど。どういった内容のものを作れば良 いのか分からないんだよ。」 先輩「あれ、まだ定款は作ってなかったんだ。それじゃあ今日は定款につ いて教えてあげるよ。いいかい、定款は簡単に言うと会社の憲法な んだ。だから定款にもいろいろな決まりがあるんだよ。」 ┌─定款の作成に当たっての注意点────────────────┐ │1.定款作成準備作業 │ │ 設立する会社の所在地内に同一の営業目的を持った類似商号の会社│ │はないか、調査を行います。調査終了後に出資金払込銀行を決めます│ │。 │ │2.定款の作成 │ │ 記載する内容は、絶対的記載事項と相対的記載事項、そして任意的│ │記載事項の3つがあります。 │ │絶対的記載事項・・・定款に必ず記載しなければならない事項。例え│ │ ば、会社が発行する株式の総数、会社が広告する│ │ 方法、発起人の氏名および住所等。 │ │ │ │相対的記載事項・・・記載しなくても定款の効力自体には影響がない│ │ が、記載がなければ効力の生じない事項。例えば│ │ 、役員の定数や種類等。 │ │ │ │任意的記載事項・・・記載するとそれらの事項に拘束されてしまう事│ │ 項。例えば株主総会の開催時期、決算期等。 │ │ │ │3.定款の認証 │ │ 民法に言う「公序良俗」に反するような目的を持った法人を誕生さ│ │せないためにも、会社の所在地を管轄する登記所に所属する公証人の│ │認証を受け、定款の効力を発生させます。定款は3通作成し、1通は│ │公証人役場に保存され残り2通は会社保存用と登記所提出用です。 │ └───────────────────────────────┘ 友達「なるほど。早速、作ってみるよ。」 先輩「まだダメだよ。だいたい会社の住所は決まっているのかい。」 友達「一応、自宅を事務所にすることになっているんだ。」 先輩「そうか〜。じゃあその住所も定款に記載しないといけないね。それ と住所は山梨県○○市町村までの記載でいいことになっているんだ 。もし、細かく××番地まで記載してしまうと、同じ市町村内で住 所を移転することになった場合、本店所在地の変更登記以外に定款 変更の手続きもしなくてはいけなくなるから面倒なんだ。それと会 社のハンコは作ったかい?」 友達「自分のハンコはあるよ。印鑑登録もしてあるよ。」 先輩「違うよ。会社の名前のハンコだよ。会社の住所が決まったらまず、 会社のハンコを作らないとダメなんだよ。会社のハンコも登記所に 会社代表者印として印鑑届をするんだ。よし、会社印について教え てあげるからすぐ作れよ。」 ┌─会社印の種類────────────────────────┐ │・会社実印 │ │ 会社登記をする登記所に、会社代表者印として印鑑届をしたもの。│ │ 大きさは、直径1センチ超3センチ以内。変形しやすいゴム製のよ│ │ うな素材は避けた方がよいです。なお、会社実印は必ず作らなけれ│ │ ばなりません。 │ │ │ │・認印および銀行印 │ │ 認印とは実印の代わりに日々の仕事に用いるもの。預金をしたり、│ │ 手形や小切手を振り出す為に銀行へ届出をして使用するものが銀行│ │ 印です。 │ │ │ │・社判 │ │ 会社名を彫った角印。会社ではこの社判を使います。そして、契約│ │ 書などの書類に社判や代表者印、担当者印を2種類押すことにより│ │ 会社の捺印と確認できるため、偽造防止に効果的です。 │ │ │ │・ゴム印(タテ判、ヨコ判) │ │ 書類を作成する場合、署名・捺印が原則です。しかし、今日では早│ │ い・簡単・きれいということでゴム印が多く使われているようです│ │ 。 │ └───────────────────────────────┘ 友達「へーえ。ハンコもたくさんあるんだね。早速作りに行って来るよ。 」 先輩「そうだね。ハンコが出来たら会社の設立登記をしてこいよ。そした らいよいよ開業だぞ。」