確定申告こぼれ話

税金が戻って来ない・・
 確定申告(還付申告)をすることで税金が戻って来る場合を先月号でご紹介したところ、何件もの問い合わせを頂きました。早速、還付の手続きを済まされた方もいますが、中には還付に至らないケースもありました。自宅を新築した方からの相談で、借金をして家を建てたのに、税金が戻って来ないのは納得できないというのです。よく話を聞いてみると、この方は扶養控除などの所得控除が多く、もともと所得税額が発生していなかったのです。還付申告は払いすぎていた税金を取り戻す手段ですから、所得税額の無い方は残念ですが対象になりませんのでご注意ください。

還付申告の期限
 個人事業主や土地・建物を売却した方などが行なう通常の確定申告は、原則として翌年の2月16日から3月15日までに行なわなければなりません。これに対して、確定申告を行なう義務の無いサラリーマンなどの還付申告は、特に提出期限が定められていません。このような場合には翌年の1月1日以降いつでも還付申告をすることができます。ただし、還付金についての請求権は、5年間行使しないと時効によって消滅してしまいます。一方、個人事業主などで確定申告書を提出している方が、税金を納めすぎていた事に後から気がついて、これを還付してもらう為の手続きを、「更正の請求」といいます。更正の請求は本来の申告期限(原則として翌年3月15日)から1年以内に限り提出することができます。上述したサラリーマンの還付申告が実質5年間できるのに比べると極端に短くなっていますが、「私の今年の税金はこれだけです。」と一旦は自主的に申告したものを、訂正することの方が特例なのです。また、いつまでも更正の請求が可能だとしたら、税収が確定せずに国の運営にも支障を来たす恐れがあります。でも、間違いは誰にでもあることだから、1年以内なら良いでしょうという考え方です。

住宅取得控除の申告を忘れたら
 借入金で住宅を取得した場合に、一定年数税金が安くなる住宅取得控除は、かなりポピュラーな存在になってきました。しかし、住宅取得控除の特例を受けるためには、新居に住み始めた年の翌年3月15日までに確定申告をする必要がありますが、これを忘れてしまう方がいます。税金の還付を受けるので、5年以内に申告すれば良いと思われるかもしれませんが、そこに落とし穴があります。住宅取得控除は確定申告をすることではじめて適用可能な特例という位置付けですから、そんな大事なことを忘れてしまった方までは助けてくれないのです。ただし、初年度の確定申告を忘れたとしても、以後の年の控除が全く取れないかというとそうではありません。確定申告をすることで、初年度は取れなくても2年目から適用可能となります。また、初年度に確定申告をできなかったことによほどの理由がある場合には、税務署がそれを認めれば初年度から適用される場合もあるようです。

規模の大小で差別?
 貸家やアパートの貸付を行なっている方の間でしばしば話題になるのが、「事業的規模か否か」です。事業的規模というのは、不動産の貸付を片手間に営んでいるのではなく、それなりの規模で行なっている場合をいいます。「それなり」が難しいところですが、税務の取り扱いでは、貸家なら5棟、アパートなら10室以上という目安を設けています。では、なぜそんなに話題になるかというと、事業的規模だからこその税務的な特典があるからです。その特典のひとつとして、青色申告の場合は、アパート管理などに従事している奥さんや親族の方に、その働きに見合った給料を払うことが認められます。また、青色申告でなくても「事業専従者控除」という一定の経費を差引くことが認められます。これに対して、規模が小さい場合は、親族の助けが無くても維持管理は可能なはずだから、親族への給料は認めないというものです。しかし、必ずしも5棟10室基準にこだわることなく、その家賃収入で生計を立てているか否かなどの状況を総合的に検証して判断することになっていますので、疑問をお持ちの方は是非ご相談ください。


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