商法は明治32年に成立し、その後今日まで18回の改正が行われました。この18回の改正の内、会計ビッグバンの影響を受けて、平成13年中の1年間だけで3回も改正が行われています。平成13年中の改正内容は会計ビッグバンに合わせ、金庫株の解禁やストック・オプションの自由化、額面株式の廃止、監査役制度の強化などとなっています。今回はこの内、中小企業にも影響が大きい監査役制度の強化について、商業登記の必要性と合わせて御説明してゆきます。
<監査役制度の強化>
今回の監査役制度を強化する改正の中で、中小企業に大きな影響を及ぼすものは、監査役の任期延長です。今まで監査役の任期は3年とされてきましたが、監査役制度を一層強化するために、監査役の任期は「就任後4年以内の最終の決算期に関する定時株主総会の終結の時まで」と改正され、従来の3年から4年に延長されることになりました。(全ての株式会社に適用)この他中小企業には適用されませんが「監査役の取締役会への出席義務及び意見陳述権」や「監査役の辞任に関する意見陳述権」などについて改正されています。これらの改正は近年の粉飾決算・倒産などの企業不祥事に対して、経営に対するより一層の監督強化を求める声が高まったことから、監査役の地位を強化し、より実効的な監査を可能にしなければならないという理由から行われました。なお、これらの改正は平成14年5月1日から施行されており、具体的には施行後最初に到来する決算期(通常は平成14年5月決算)に関する定時株主総会以後に就任する監査役から任期が4年となります。
<なぜ登記をしなければならないのか?>
会社は資本や人の集合体であるため形が見えないものです。「その会社が本当に存在するのか」「取引をする会社の役員は実在しているのか」など、取引相手の存在を確認する情報がなければ安心してその会社と商取引を行うことができません。そこで商法では「会社は本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する」(有限会社法でも同様に規定されています)として、登記を会社の成立要件としています。この登記事項には、会社の目的、商号、資本の額、設立年月日、役員に関する事項などがあり、これら登記する事項に変更が生じた場合にも登記が必要になります。登記簿はその会社の本店所在地を管轄する法務局において、登記簿の閲覧、謄本の発行を誰でも申請することができます。
<株式会社と有限会社の役員の任期>
株式会社の場合には商法で
1.取締役の任期は2年
2.監査役の任期は今回の改正で4年(改正前は3年)
とされています。したがって、役員の任期が終了すれば一旦任期満了で退任し、例え同じ顔ぶれであっても再度役員を選任して就任したという登記をしなければなりません。
一方、有限会社については有限会社法で、役員の任期を規定していません。従って、原則として役員に任期はありませんので、登記している役員の退任や新たな役員の就任などがなければ、当初に登記された役員がそのまま続けることになります。
<登記を怠っていると・・・>
登記をする必要があるのに、その登記を怠っていると、商法違反として100万円以下の過料に処されます。また、株式会社の場合、5年を超える期間、役員の変更登記を含め何らかの登記を全く行っていないと、法務大臣の公告・登記所から会社への通知を経た上、解散の登記がなされることになっています。また、登記を怠っていた場合に、登記していない変更事項は善意の第三者に対抗することができません。例えば代表取締役A氏の退任の登記を怠っていた場合に、A氏が会社の代表者を装って行った取引であっても、登記上はA氏が代表者となっていますので、登記を信じた善意の第三者に対して会社は責任を負わなくてはなりません。トラブルが起こり多額の損害賠償を請求されるといった事も考えられ、うっかり登記を忘れていたでは済まない場合もありますので、十分に注意する必要があります。
新しい得意先と取引をする際には、信用調査の1つとして登記簿謄本を活用することができます。また、自社の登記事項について、登記簿謄本をもう一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。
会計ビッグバン 〜キャッシュフロー計算書 Part1〜
今月号と来月号の2回に渡り、キャッシュフロー計算書について説明して行きます。
企業の倒産理由は、概ね資金(キャッシュ)不足です。中には黒字でありながら資金の循環が悪く、倒産する企業もあります。この様に資金の循環は企業の生命線であるにもかかわらず、平成11年4月にキャッシュフロー計算書が登場するまでは、資金の状態を評価する資料がありませんでした。
貸借対照表・損益計算書と共にキャッシュフロー計算書が財務諸表へ新たに加わったことにより、何が読み取れるようになったのかを考えてみましょう。
<従来の財務諸表では分からなかったキャッシュの流れ>
企業が活動を行なう上でキャッシュ(現金および預金などの現金等価物)は、必要不可欠なものであると同時に増減した原因がどこにあるのか分かりにくいものです。例えば「今期は無事、黒字決算だったが納税する現金は手許に無い。利益は何処へ行ってしまったのか?」「赤字続きだが手許には現金が充分ある。さて、このお金は何処から生じたものなのか?これを設備投資に使って良いものだろうか?」など、判断に迷う時もあるのではないでしょうか。
この原因を見つけるために自社の貸借対照表や損益計算書を見返してみても、決算期末現在の財政状態を表す貸借対照表では、期末にキャッシュがいくら残っていて、1年間でどれだけ増減したかは分かりますが、「増減した原因が何か?」までは分かりません。また、営業成績を表す損益計算書では、一年間の活動の中から生まれた利益がどれだけあったかは分かりますが、利益の全てがキャッシュとして残るとは限らないため、キャッシュの増減原因を知る情報としては不完全です。
そこでキャッシュフロー計算書は、キャッシュに視点を置き、従来の財務諸表では分かり得なかった企業の「キャッシュが何によって、どれだけ増減したのか?」の情報を、1.営業活動によるキャッシュフロー、2.投資活動によるキャッシュフロー、3.財務活動によるキャッシュフローの3つに分類して、キャッシュの流れを示す資料となっています。
では、なぜ貸借対照表と損益計算書ではキャッシュの流れが分かりにくいのか?その原因を考えてみましょう。
<キャッシュと損益との違い>
1.時間的なズレ
損益計算書上の「収益−費用=損益」と、キャッシュの流れである「収入−支出=キャッシュの純増減」は、同じ様に見えますが必ずしも一致しません。その原因の一つに、取引のあった事実からキャッシュになるまでの時間のズレがあります。例えば、売上代金は3ヵ月後に入金される予定で商品を引渡した場合を考えてみましょう。この場合商品を相手に引渡した時に売上計上し「収益」となりますが、キャッシュは3ヵ月後でなければ手許には来ません。ここで3ヶ月間の収益とキャッシュのズレが出てきます。費用も同様に未払金等の支払時点までズレが生じます。企業の営業活動の中にはこの様な単純なズレだけでなく在庫や前払費用、手形決済といった様々な損益とキャッシュの時間的なズレがあります。これをキャシュフロー計算書は補っているのです。
2.減価償却費などの存在
多額のキャッシュを投じて設備投資を行なっても、支払決済時に全額が費用とならないことは、既に皆さんご存知かと思います。建物や機械などの固定資産を取得するための支払は、その建物や機械の利用可能期間で按分して費用になります。
例えば、A社が1,500万円のキャッシュを投じて貸店舗を建設し、20年間貸し付けることにしました。毎期の家賃収入は100万円です。
A社は、貸店舗の建設費用を20年間利用して回収する計画ですので、
毎期の収益100万円に対する費用は、
1,500万円÷20年間=75万円となり、
利益は 100万円(収益)−75万円(費用)=25万円(利益) になります。
しかし、1年目のキャッシュは100万円の収入に対して支出は1,500万円ですので、
100万円(収入)−1,500万円(支出)=△1,400万円(キャッシュの減)となりキャッシュが流出しています。
2年目以降はキャッシュの支出はありませんので、
100万円(収入)−0円(支出)=100万円(キャッシュの増)となり
一旦流出したキャッシュを回収することができます。
このように、設備の利用期間に応じて費用を按分することがあるために、必ずしも利益とキャッシュの増減が一致しません。この点も補っているのがキャッシュフロー計算書です。
企業の経営成績はキャッシュフローだけで評価できませんが、従来の貸借対照表と損益計算書に合わせてキャッシュフロー計算書にも重点を当てて財務諸表をご覧になって下さい。来月号では、TKCの「3期比較キャッシュフロー計算書」を元に見方を説明して行きます。
前回は、経営者の保険やその考え方について勉強しました。今回は保険の勉強の最後、保険の見直しについてです。
友達「こんにちは。我社も今まで勉強させて頂いたリスクに備え、保険に 加入しました。」 先輩「それは良かった。ひとまず安心だね。でも、今まで勉強してきた様 々なリスクはあくまで現時点でのものなんだ。企業を取り巻くリス クは経営方針の見直しや時の経過により、変化していくものだから 常にその時々の会社のリスクを把握し、保険の見直しを行っていく ことが大切だよ。最近は、経営状況の悪化から、経費削減策として 安易に保険を解約してしまうケースがあるのだけど、これは非常に 怖いことなんだよ。」 友達「そうですね。経営者としてはリストラ策の1つなのでしょうが、会 社のリスクをカバーしている保険を解約してしまえば不測の事態に 対応する力がなくなってしまいますよね。」 先輩「そうだね。それに生命保険の解約であれば、将来的に経営が改善さ れ、また加入しようとしても健康状態によっては加入することさえ 出来ない場合も考えられるから注意が必要なんだ。じゃあ、今日は 保険の見直しについて簡単に説明していこう。」 ┌─保険の見直しポイント────────────────────┐ │1すべての保険証券を種類・目的毎に集める。2契約内容をまとめ、│ │漏れや重複している保険を把握する。3会社の方向性とリスクを分析│ │し、それに対するコストの費用対効果を考慮する。4保険契約適正度│ │をチェックする。 │ └───────────────────────────────┘ 先輩「簡単に説明すると上記の4つが大きなポイントとなるんだ。じゃあ 、具体的に説明をしよう。まずは、1と2について説明するよ。」 ┌─具体的な見直し方法〜其の一〜────────────────┐ │会社では何らかの保険に加入していると思われますが、実際に加入し│ │ている保険をすべて把握している経営者がいるかは疑問です。そこで│ │手元にある保険証券をすべて集め、その保険内容を把握・分析するこ│ │とから始めます。生命保険であれば、定期保険・終身保険・養老保険│ │等の種類毎に分類し、次に契約者・被保険者・保険金受取人・満期保│ │険金や解約返戻金の受取人・保険期間・払込期間・保険金額を確認し│ │本当に必要な保険かどうかを分析していきます。また、損害保険につ│ │いては、基本的に1年毎の書き換え方式ですので、書き換え時に付保│ │漏れが無いかチェックする必要があります。特に自動車については事│ │故発生時には多大な賠償金が発生するケースもあるので注意が必要で│ │す。建物の火災保険などは本体価格が建物の老朽化により変動します│ │し、設備投資や在庫状況なども流動的であるため、毎年保険金額や内│ │容を見直しすることを心掛けて下さい。 │ └───────────────────────────────┘ 先輩「当たり前のことだけど、これを把握できていない経営者が多いのが 実状なんだよ。じゃあ、次に3と4について説明しよう。」 ┌─具体的な見直し方法〜其の二〜────────────────┐ │自社の目標と明確なビジョンを掲げ、それを実行していく中で発生す│ │るリスクを分析します。また、そのリスクにより会社が受けるダメー│ │ジの大小とそれに対する費用対効果を考慮して判断していきます。一│ │方、保険契約適正度とは簡単にいってしまえば「高額な補償の保険に│ │加入していても安心では無い」ということです。例えば、100万円│ │の価値の物に1000万円の保険金を掛けたとしても保険金が全額支│ │払われることはありません。逆に保険金額を過小に設定することも本│ │来の保険の目的からいって意味がありません。ということはリスクの│ │優先順位に従って、最も効率の良い方法で保険に加入することを検討│ │していくことが重要となります。 │ └───────────────────────────────┘ 友達「なるほど。実際には保険の見直しは簡単なように感じますが、非常 に奥深く難しいですね。やはり、専門家のアドバイスを聞かないと 決めることは難しそうですね。」 先輩「そうだね。いつでも相談に来なさい!」
会社の保険について4回に分けて勉強してきました。多種多様な保険がありますが、どれも企業経営にとっては非常に奥深く、その内容を判断していくには難しいものです。この機会に自社で加入している保険を再確認すると共に自社のリスクをカバーできているのか確認してみて下さい。また、巡回監査時に監査担当者と一緒に見直しを行ってみるのもいかがでしょうか。お気軽にご相談下さい。
新聞紙上に不況、リストラの記事が日々掲載される現在ですが、早期退職制度等を利用し退職するような社員は概して有能な社員が多いものです。大企業の優秀な人材が流出している今は、中小企業にとって優秀な人材を採用するにはチャンスの時期といえます。また、今後高齢化社会に向かえば若い人材が不足していくことは明白ですので、体力のある中小企業は何とか今の内に人材獲得に努めたいものです。
しかしながら良い人材を獲得する場合には、その人材の内面を見極める必要があります。そこで当社で提供している人材開発プログラム「CUBIC(キュービック)」をお使いになってみてはいかがでしょう。CUBICの開発ベースとなっている心理測定法は、3,000社におよぶ国内企業が参加する組織で永年研究された測定値をもとに最新のアメリカ、日本の産業・組織心理学も踏まえながら開発され、たいへん具体性のあるシステムとなっています。CUBICは約20分間質問用紙に回答していただくだけで、性格や向いている業務、その人の本質を測定し結果を出力します。
今の内に確実に良い人を採用したいという中小企業をバックアップするため、1名3,000円の検査料金を7月1日より1名2,000円にてご提供することとなりました。
是非、この機会にCUBICをご利用下さい。ご利用につきましては担当者又は輿石までお問い合せ下さい。
┌CUBICを使った感想を一言─────────────────┐ │ 有限会社 井上油店 代表取締役 井上 悟 様 │ │ 当社では、正社員採用の際、複数名で迷った時や最後に決め手が欲│ │しい時などの決定資料としてCUBICを利用しています。 │ │ 以前、採用を決定しようと確認の為にCUBICを行ったところ、│ │CUBICの検査結果の正確性を示す信頼計数があまりに低く、結果│ │も変であった為、前の勤め先に確認をしましたら、何かと問題を抱え│ │ている方だと分かり採用を見送ったということがありました。また、│ │CUBICの検査結果を見て採用した従業員はなかなかよくやってく│ │れています。従業員の採用は大変難しいことですからCUBICの検│ │査結果は採用時の最後の判定に大変役立っています。 │ └───────────────────────────────┘
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書面添付へのコメント 中小企業金融公庫 甲府支店 次長 村山 真一 様 |
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| 融資を行う際は、まず決算書をベースとして考えます。ですから、決算書が正しいという前提でないと正しい判断はできません。 書面添付された決算書は、融資先との信頼関係を築く上で有効な手段となり得ます。また、書面添付制度はISOのような品質保証制度といえるのではないでしょうか。 書面添付制度は、透明性のある決算書を作成する制度として当公庫でも注目していきたい制度です。 |
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当社が関与先の皆様にご提案している書面添付申告制度をご理解いただき3期連続して書面添付申告を実践された関与先の皆様に対して敬意を表す目的でTKC全国会よりの表敬状をお渡ししております。今回は津久井胃腸科医院 津久井敏郎院長に表敬状をお持ちした際撮影した喜びの表情を掲載いたします。

平成14年5月29日、日本経済新聞にTKC経営指標(BAST)が掲載されました。これは、TKCコンピュータ会計システムを使用して平成13年1月から12月までに決算を迎えた企業226,661社のデータより903業種についての経営分析項目を抽出し掲載したものです。このTKC経営指標の中でFX2(TKC戦略財務情報システム)・継続MASシステムを利用し書面添付申告を行っている企業の内、黒字企業は62.2%であり、国税庁が発表した全企業に対する黒字企業割合31.6%の約2倍という高い結果が出ています。
┌─────────────────────────────────┐ │ 12日 本年7月分源泉所得税・住民税の納付 │ │9月2日 本年6月決算法人の法人税等確定申告 │ │ 本年6月決算法人の消費税確定申告 │ │ 本年12月決算法人の法人税等中間申告 │ │ <前年度の消費税額が年間48万円超400万円以下の場合>│ │ 本年12月決算法人の消費税中間申告 │ │ 個人消費税中間申告 │ │ <前年度の消費税額が年間400万円超の場合> │ │ 翌年3月決算法人の消費税中間申告(第1回分) │ │ 本年12月決算法人の消費税中間申告(第2回分) │ │ 本年9月決算法人の消費税中間申告(第3回分) │ │ 個人消費税中間申告(第2回分) │ │ 土地取得に係る特別土地保有税の申告納付 │ │ 個人事業税第1期分の納付(条例による) │ │ 個人住民税第2期分の納付(条例による) │ └─────────────────────────────────┘