1.銀行再編の動き
平成14年1月15日三和銀行と東海銀行が合併し、UFJ(ユナイテッド・フィナンシャル・オブ・ジャパン)銀行が誕生しました。UFJ銀行誕生に続き、今年3月に大和銀行グループにあさひ銀行が経営統合することが既に決まっています。また、みずほフィナンシャルグループも4月1日付で、個人取引中心の「みずほ銀行」、大企業を取引の対象とする「みずほコーポレート銀行」に再編されることが今後予定されています。
┌─みずほフィナンシャルグループ───┐┌ 三菱東京フィナンシャルグループ─┐ │┌──────┐ ┌───────┐││┌────┐ ┌───────┐ │ ││日本勧業銀行│⇒│ ││││三菱銀行│⇒│ │ │ │├──────┤ │第一勧業銀行 │││├────┤ │東京三菱銀行 │ │ ││ 第一銀行 │ │(1971年)││││東京銀行│ │(1996年)│ │ │└──────┘ ├───────┤││└────┘ └───────┘ │ │ │富士銀行 │││ ┌───────┐ │ │ ├───────┤││ │三菱信託銀行 │ │ │ │日本興業銀行 │││ └───────┘ │ │ └───────┘││ │ └──────────────────┘└─────────────────┘ ┌────────────── 三井住友グループ───────────────────┐ │┌────┐ ┌───────┐ ┌───────┐ ┌───────┐┌────┐│ ││太陽銀行│⇒│太陽神戸銀行 │⇒│さくら銀行 │⇒│三井住友銀行 ││住友信託││ │├────┤ │(1973年)│ │(1992年)│ │(2001年)││銀行 ││ ││神戸銀行│ │ │ │ │ │ ││ ││ │└────┘ ├───────┤ │ │ │ │└────┘│ │ │三井銀行 │ │ │ │ │ │ │ └───────┘ ├───────┤ │ │┌────┐│ │ │住友銀行 │ │ ││中央三井││ │ └───────┘ └───────┘│信託銀行││ │ │ ││ │ └────┘│ └──────────────────────────────────────────┘ ┌─ UFJグループ───────┐┌──大和銀ホールディングス──────────┐ │┌────┐ ┌───────┐││┌────┐ ┌───────┐┌─────┐│ ││三和銀行│⇒│UFJ銀行 ││││協和銀行│⇒│あさひ銀行 ││大和銀行 ││ │├────┤ │(2002年)│││├────┤ │(1991年)│└─────┘│ ││東海銀行│ │ ││││埼玉銀行│ │ │ │ │└────┘ └───────┘││└────┘ └───────┘ │ │ ┌───────┐││ ┌──────┐┌────┐ │ │ │東洋信託銀行 │││ │近畿大阪銀行││奈良銀行│ │ │ └───────┘││ └──────┘└────┘ │ └────────────────┘└───────────────────────┘
銀行再編後には大手銀行は前図のように、みずほフィナンシャルグループ、三菱東京フィナンシャルグループ、三井住友グループ、UFJグループ、大和銀ホールディングスの5グループ体制に再編されることになります。みずほフィナンシャルグループが平成12年に誕生したことに端を発した銀行再編は最終局面にさしかかっているといえます。
2.再編の背景
なぜペイオフ解禁直前に、銀行が相次いで合併や経営統合などを行なうのかといえば、金融自由化が進むなかで、一定の市場のシェアを確保することによってスケールメリット(規模の利益)を追求できるという狙いが各銀行にあるからです。また、現在、各銀行が独自で開発している金融システムを統一することができ、投資負担を軽減できるというメリットがあります。さらに、合併によって不採算店舗の整理・縮小も促進でき、人材を始めとして企業体全体でのリストラクチャリングが可能となるメリットも挙げられます。
一方、バブル崩壊以降長引く景気低迷も加わって、大手銀行は不良債権処理に伴う巨額の損失を計上し続けています。また、不良債権の処理に伴う損失の穴埋めに使ってきた保有株式の含み益は、株価の大幅な下落により逆に大幅な含み損に転換しました。さらに、平成13年度から時価会計が導入され、有価証券が時価評価されたことにより、銀行の自己資本は減少を余儀なくされました。このような銀行を取り巻く厳しい環境下で、銀行の経営体力は低下の一途をたどり、単独では生き残りが難しくなったのも再編が加速した大きな要因といえます。
3.自己責任時代に向けて
自己責任時代では、預金者は金融機関から明示された様々な情報を自分なりに分析し、判断・選択することが自己責任となります。そのためには自分なりのとるべき行動や方針を決める判断力を養っておかなければなりません。一方、金融機関は預金者や投資家などの判断を誤らせない正確な情報を明確にする責任があります。自己責任時代では、各自が自己の責任を取らなければならないため、オープンにされた正確な情報を読取る力が預金者側に求められることになります。
4月1日からいよいよペイオフが解禁され、自己責任時代が本格的に始まります。銀行が破綻すると事業資金が凍結されるだけでなく、手形決済などにも支障が出ることが予想されます。当社が作成した『ペイオフ解禁に対する心構え』を再度読み直し、ペイオフ解禁を万全の体制で迎えて戴きたいと思います。
企業組織再編 その2
つい最近、大手生命保険会社同士の銀行系列を超えた合併が発表されるなど、企業組織再編は益々加速しています。また、テレビや新聞のニュースにはなりませんが、大手企業だけではなく中小企業の間でも組織再編は進んでいます。ニュースになる企業再編は、今月号の情報「銀行再編」にあるような、会社をより巨大化してスケールメリットを得ることによって生き残りを模索するというパターンが多いように思われますが、最近は逆に会社を分割して小さくすることも頻繁に行われています。
会社分割のメリット
会社を分割する狙いの1つは、特定事業への経営資源の集中です。例えば、A事業部とB事業部を持つ会社が、今後の柱と位置付けるA事業部を残してB事業部を分割し、B事業部を新会社として独立採算にすることが可能です。また、この分割した事業を譲り受けたいと希望する他の会社があれば譲渡することも可能です。これまでも事業の一部を他社に譲り渡すことは可能でしたが、譲り受け側が多額の資金を必要とすることがネックになっていました。しかし、後述する吸収分割の手法によれば譲り受け代金は株式で払うため、資金がなくてもそれが可能になります。
会社分割制度の創設
一連の企業組織再編のための法律改正のひとつとして、平成11年の商法改正により会社分割制度が創設されました。会社分割制度とは既存会社の事業の全部又は一部を他の会社に継承させることを目的とするものです。この制度には次のような方法があります。
○新設分割・・・新たに設立した会社に分割会社から分割した事業を継承させる方法
○吸収分割・・・分割会社から分割した事業を既存の会社に吸収継承させる方法
さらに上記の分割は、分割に際して発行する株式を直接分割会社の株主に割り当てる方法(分割型分割)と、分割会社自体に割り当てる方法(分社型分割)とに分けられます。これを図にすると次のようになります。

中小企業の事業継承対策
中小企業では、株主が創業者やその親族であり、経営陣もこれらの株主で占められる、いわゆる同族経営の場合が多いようです。その場合、株主である経営陣の間で経営方針をめぐって対立が起こり、本業に悪影響を及ぼすこともあります。このような事態を未然に防ぐ方法として会社分割の制度が利用できます。例えば、経営方針が異なる兄弟が、株主である創業者の父親から事業継承するような場合です。兄弟の対立が相続争いとなり、会社の将来さえ危うくなることも考えられます。これを防ぐためにあらかじめ会社を分割し、それぞれが独立して経営する会社にしておくこともできます。
企業組織の再編は、大企業を念頭に置いているようにも受け取れますが、決してそうとも言い切れません。例え中小企業でも大競争時代を生き残っていくためには、環境の変化に対応した企業組織が不可欠だからです。
前回は従業員による社内不正の手口について勉強しました。今回はその他の不正についての勉強です。
先輩「テレビ等でも大きく報道されていたように、青森県の住宅供給公社 で14億円もの不正事件があったね。結局、早期発見できないこと が、多額の不正に繋がってしまうという事が君にも理解できたんじ ゃないか。しかも国税局の査察で発覚したわけだから、本当にずさ んな管理体制だったという事だよね。」 友達「そうですね。しかし、不正を発見できずに放っておくとあんなに大 金になってしまうんですね。まったく恐い話です。」 先輩「この事件でも犯人は信頼されていた経理担当者だったね。その後の 調査で発覚した事は、最初の不正は100万円単位で、ばれないの で徐々に不正金額が多額になり、最終的には1回の不正金額が1千 万円以上となっていたようだね。まさしく、前回勉強した社内不正 の特徴、そのままだね。ばれなければその金額も増加していく典型 的なケースといえるね。」 友達「へーえ。しかし、不正金額もここまでくると信じられない話ですね 。チェック機能の重要性を改めて実感します。」 先輩「そうだね。じゃあ、今日は前回勉強した従業員単独で行う不正以外 の『従業員同士が共謀して行う不正』と『会社外部の者と共謀して 行う不正』を勉強しよう。」 ┌─共謀による不正───────────────────────┐ │(1)従業員同士の共謀による不正 │ │ 複数の従業員が共謀して行う不正は、単独の不正に比べて大規模・│ │ 複雑になってきます。例えば、出納担当者と承認者とが共謀すれば│ │ 出納事務手続きがフリーパスとなり不正は発見しにくくなります。│ │(2)従業員と会社外部の者との共謀による不正 │ │ 従業員が取引先など会社外部の者と共謀して不正を行うケースは、│ │ 最も不正を発見しにくいパターンだといえます。例えば、取引先か│ │ ら受取る請求書を偽造させて不正を行っていたら、会社内部の資料│ │ からではチェックが及ばず、不正発見は非常に困難になります。 │ └───────────────────────────────┘ 友達「なるほど。1人で行う不正よりも、不正の内容も複雑になりがちで すし、発見もしにくくなるということですね。具体的な手口を教え て下さい。」 先輩「じゃあ、代表的なものを2つ説明するよ。」 ┌─共謀による不正の手口────────────────────┐ │1仕入業者と共謀して行う仕入の水増しによる不正。例えば、仕入担│ │当者が商品を10個仕入れるという納品書を取引先に作成させ、実際│ │には9個しか納品されないようにする。経理には10個分の請求書を│ │回し、経理では、10個分の仕入代金が仕入業者に支払われる。そこ│ │で仕入業者から1個分の代金の一部をリベートとして仕入担当者が手│ │に入れるという方法。 │ │2仕入先からのリベートを使い込む不正。販売目標達成に協力したな│ │どを理由とした仕入先からのリベートを会社に報告しないで着服して│ │しまう不正です。このようなリベートは仕入先とその担当者との間で│ │リベートの有無や金額が決まるケースが多いので会社としては把握し│ │にくいのが現状です。 │ └───────────────────────────────┘ 友達「1に関しては、納品時のチェックを強化すれば不正を防ぐ事ができ ますね。」 先輩「そうだね。納品されるたびに、大勢でチェックするわけにはいかな いだろうから、抜き打ち的に仕入担当者以外の人が納品現場に立ち 会うようにする事で不正を防ぐ事は可能だね。2のケースでは仕入 先が現在どんな営業キャンペーンを実施しているかを直接仕入先に 確認するようにすれば、リベートの有無や会社に入るべきリベート についても把握できるね。それから、仕入先と販売リベート等の契 約書や覚書等を交わしておく事で担当者による使い込みも発見でき るよ。」 友達「なるほど。我社もリベートはありますから契約書等の作成を検討し ます。」
住宅供給公社の不正事件でも見られるように、一定の人に経理を任せきりにしてしまっていたり、管理体制が甘いほど不正が行われる可能性は高いことが理解できたと思います。次回は不正を未然に防ぐ仕組みについて勉強します。
サラリーマンなどが還付申告をするケースが年々増えています。還付申告には、医療費控除や住宅ローン控除、雑損控除などがありますが、その大半が医療費控除だといわれています。そこで今月号では、医療費控除について説明していきます。
医療費控除ができるのは、その年中に本人及び生計を一にしている親族のために支払った医療費の金額が10万円を超えるか、所得金額の5%を超える人です。超えた部分の金額(200万円が限度)を所得から控除できます。医療費控除の計算方法を図で表すと下のようになります。
┌────────┐ ┌───────┐ ┌───────┐ │1年間に支払った│ │保険などで │ │10万円または│ 医療費控除額 │医療費 │―│補填される金額│―│総所得の5% │=(200万円限度) └────────┘ └───────┘ └───────┘
保険などで補填される金額とは・・・
健康保険から支給される高額療養給付金、出産育児一時金、生命保険の契約によって受ける入院給付金や医療保険金などのことで、勤務先から支給される見舞金や出産の祝金などは医療費を補填するためのお金ではないので、医療費から差し引く必要はありません。ただし、医療費から差し引く保険金などを受け取った人と医療費を負担した人が異なる場合、例えば、妻が加入している保険から入院給付金が支給されたが、夫が医療費を支払った場合には、給付金が医療費を補填する目的で支給されたものである限り、実際に誰が医療費を負担しても、医療費から差し引いて計算しなくてはなりません。
また、保険などで補填される金額が確定申告期限までに確定していない場合には、その見込額を差し引き、後日保険金が確定した時に、見込額より多かった場合には修正申告、少なかった場合には更正の請求をして医療費の額を訂正することになります。
申告書の記入例
では、具体的にはどのように記入すればよいのでしょうか?13年度分の申告から申告書の用紙がA4版に変わりました。申告する所得が給与所得や雑所得、配当所得、一時所得だけの方で予定納税額のない方は確定申告書Aに、その他の方は確定申告書Bに記入することになります。

かかった医療費の領収書を集計して申告書に記入するのはさほど難しくはありません。念の為、平成13年分の医療費の領収書を集計してみてはいかがでしょうか。ただし、年末調整後の源泉徴収税額が0円の人は、もともと所得税額が0円なので医療費控除による還付申告はできません。
┌─────────────────────────────────┐ │ 11日 本年2月分源泉所得税・住民税の納付 │ │ 15日 昨年分の所得税確定申告・損失申告及び第3期分の納付 │ │ 確定申告税額の延納届出書提出 │ │ 本年分青色申告の承認申請書提出 │ │ 一昨年分の所得税の更正の請求 │ │ 住民税、事業税、事業所税、贈与税の申告 │ │ 20日 固定資産課税台帳の縦覧締切(公示による) │ │ (3月1日〜3月20日) │ │4月2日 本年1月決算法人の法人税等確定申告 │ │ 本年1月決算法人の消費税確定申告 │ │ 本年7月決算法人の法人税等中間申告 │ │ <前年度の消費税額が年間48万円超400万円以下の場合>│ │ 本年7月決算法人の消費税中間申告 │ │ <前年度の消費税額が年間400万円超の場合> │ │ 本年10月決算法人の消費税中間申告(第1回分) │ │ 本年7月決算法人の消費税中間申告(第2回分) │ │ 本年4月決算法人の消費税中間申告(第3回分) │ │ 昨年分の消費税確定申告 │ └─────────────────────────────────┘