いわゆる貸し渋り対策の一環として、政府が行った「中小企業金融安定化特別保証制度」は、平成13年3月31日まで総額30兆円の保証枠を設けて、現在実施中です。
ただし、平成12年4月1日以降に申込みをされる中小企業者は、新たに「建設的努力」の計画を盛り込んだ「事業計画書」の提出が必要となりました。
<建設的努力の要項の内容>
次の(1)又は(2)のいずれかに該当する具体的な事業改善計画を有すること。
(1)次のいずれかに該当する事業規模の拡大を行い、雇用の維持又は増加を図ること。
@商品の生産又は販売の規模(金額又は数量)の拡大
A提供される役務(サービス)の規模(金額又は数量)の拡大
B付加価値額の増大
(2)次のいずれかの方法により収益性の向上を図ること。
@生産又は仕入れにおける改善
A販売又は役務提供における改善
B経費面又は財務面における改善
Cより収益性の高い業種・業態への進出又は転換
D以上のほか、情報化、技術改善、組織改善等による生産性の向上
当社では、TKC継続MASシステムによる「事業計画書作成業務」も行っております。これを機に、事業計画書作成による予算制度の導入、予算対比が容易に行える戦略財務情報システムFX2の導入、業績検討会の実施等をご検討ください。
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経営不振に陥った企業の再建を後押しする民事再生法が、平成12年4月1日から施行されました。この民事再生法は、従来の和議法に比べ手続きを簡略にした新たな法律として注目が集まっています。今月号では民事再生法についてお知らせします。
1.従来の和議法との違い
企業を再建する為の法的手続きには、和議と会社更生、会社整理という3つの手続きがあります。従来中小企業などが再建を図る場合には、和議手続きを採るしか方法がなかったのですが、和議手続きには@破産原因(個人の場合は支払不能、法人の場合は支払不能又は債務超過)があることが手続き開始の要件とされていること、A裁判所への申立てと同時に再建計画案などの条件を提示しなければならないことなど手続き上の問題点が指摘されていました。そこで今回和議法が廃止され、民事再生法が制定されました。民事再生法では和議法の欠陥を解消し、債務者(法人の場合取締役等)が経営権を失うことなく、債権者の同意によって迅速に企業の再建を図る手続きを定めているところにその特徴があります。
2.民事再生法の手続の流れ

3.再生手続のポイント
@利用対象者
再生手続は、中小企業などを主たる対象としています。株式会社・有限会社はもとより個人事業者も利用することが出来ます。但し現状では大手企業による民事再生法の利用が多く見られます。
A手続開始条件
従来の和議法では破産原因の存在が必要でしたが、民事再生法では破産原因はなくても、「破産の生ずる恐れがある場合」や「事業の継続に著しい支障がなくても債務を弁済できない場合」に手続が開始されます。
B再生計画
債務者は再生計画案を債権届出期間終了後に作成し、提示しなければなりません。再生計画案では、例えば債権者が会社に対して有している債権を削減したり、返済期限を延長したりすることなどの債権の変更を盛り込むことが出来ます。
再建計画案は、債権者数の過半数かつ総債権額の過半数を有している債権者の同意があれば可決されます。この他小規模な事案等については簡易かつ迅速な処理が可能となるよう「簡易再生(注1)」や「同意再生(注2)」の制度も設けられています。
(注1)簡易再生とは届出総債権の五分の三以上にあたる債権を有する債権者の書面による同意があれば、債権調査・確定手続を経ずに再建計画案を決議する債権者集会の召集決定が可能となる制度です。
(注2)同意再生とは届出がなされた全債権者の書面による同意があれば、債権調査・確定手続及び再生計画案の決議を省略して再生計画の認可が受けられる制度です。
4.取引先が民事再生法の手続を申し立てた場合の対処法
一般債権者の場合、債権申出期間内に裁判所に債権の届出をしないと権利を失う恐れがあります。また相手方に対して債務も負っている場合、期間内に相殺をしていなければ、それ以降の相殺は無効になります。そのため内容証明郵便で債務者に対し(管財人がいる場合は、管財人に対し)相殺の意思表示をする必要があります。また債権に対し保証人がいる場合には、その保証人に対して支払請求をする準備も必要になります。
民事再生法は従来の制度に比べ手続きが簡便になったため、今後この手続が増加することが十分に考えられます。債権の管理は今まで以上に厳しくしていく必要があります。
前回まではたな卸の資産の評価について勉強してきました。今月からは新たな勉強の始まりです。いっしょに再確認していきましょう。
友達「こんにちは、先輩。今日は何の勉強ですか?」 先輩「巡回監査報告書では固定資産の取得価額についてだね。じゃあ、早 速巡回監査報告書の内容を見てみよう。」 ┌───────────────────────────────┐ │固定資産の取得価額(税法上では運賃、手数料、交際費、立退料の加│ │算等が必要)の処理は適正か。少額資産の取り扱い及び修繕費との区│ │分は明確か。 │ └───────────────────────────────┘ 友達「取得価額は購入した固定資産の本体価額だけではないのですね。知 らなかった。我が社の固定資産は大丈夫かな・・・?」 先輩「おいおい、しっかりしてくれよ。取得価額についてもう少し詳しく 説明しておくよ。」 ┌─取得価額とは────────────────────────┐ │税法上での取得価額とは、購入先へ支払った代金だけではなく次のよ│ │うな費用も含まれます。 │ │ ・引取運賃・荷役費・運送保険料・関税 │ │ ・購入手数料・その他購入に要した費用 │ │また、この他にも事業の用に供するために直接要した費用も取得価額│ │となります。 │ └───────────────────────────────┘ 先輩「例えば100万円の機械を購入したときには、この機械を購入した 店から自社までの運搬費用が発生するだろ。この運搬費用も取得価 額だよ。それから、その機械を工場内に設置するための工事費用も 取得価額となるんだよ。」 友達「なるほど。今度、当社で購入する商品展示用の陳列棚がありますが 、この設置工事費用が50万円掛かる予定です。これも取得価額と いうことですね。でも、この陳列棚に万引き防止の為にガラスを付 けてもらう工事は別の業者に頼むのですが、この金額は19万円な ので、損金処理できますね。」 先輩「いや、だめだよ。少額減価償却資産は10万円未満のものだろ。そ れに、別々の業者であろうと、ガラスを付ける事もその陳列棚を取 得し、使用するために要した費用なのだから、たとえ10万円未満 であっても取得価額になるよ。」 友達「えっ、10万円未満。そうでしたね。」 先輩「しっかりしてくれよ。少額減価償却資産についても復習しよう。」 ┌─少額減価償却資産──────────────────────┐ │従来は取得価額が20万円未満の資産については取得した事業年度の│ │損金とする事ができましたが、平成10年4月1日以後に開始する事│ │業年度からは10万円未満に引き下げられています。ただ、10万円│ │以上20万円未満の資産(一括償却資産)については、金額も小さく│ │管理も煩雑になる為、事業年度ごとにすべてまとめて一括にして3年│ │間で償却することも選択できます。 │ │ ※詳しくはインフォメーション98年4月号・7月号参照 │ └───────────────────────────────┘ 友達「そうでしたね。ありがとうございました。」 先輩「取得価額を決めるときには『通常1つの取引単位』としての判断に 気をつけることが重要だね。要するにセットにして初めて使えるも のは1つの取引単位として、その取得価額が決まるという事だね。 あっ、それから不動産取得税・自動車取得税、登録免許税や登記・ 登録の為に要した費用は取得価額に算入しなくても良い事になって いるから覚えておくんだよ。」
固定資産の取得価額の判断は難しいものです。正しい経費処理を行う為にも再確認をして頂きたいと思います。次回は修繕費等と資本的支出についての勉強です。
今回は「資金繰り計画表」の作成についてご紹介していきます。前回もお話しましたが、資金繰りは何と言っても予測を立てて事前に必要な対処をすることにつきます。「将来のことは分からない」と言ってそのままにしていては危険です。いざと言うときに困らないように資金繰り計画表の作成方法をマスターしておきましょう。
資金繰り計画表の作成手順は以下のようになりますが、(1)から(3)を今月号に、(4)を来月号に分けて詳しく解説していきたいと思います。
┌────────────────────────────┐ │(1)営業活動で生じる収入の予測を立てる │ └────────────────────────────┘ | ∨ ┌────────────────────────────┐ │(2)営業活動で生じる支出の予測を立てる │ └────────────────────────────┘ | ∨ ┌────────────────────────────┐ │(3)通常の営業活動以外で生じる収支の予測を立てる │ └────────────────────────────┘ | ∨ ┌────────────────────────────┐ │(4)収入と支出を当てはめ、資金繰り計画表を完成させる │ └────────────────────────────┘
(1)から(3)ができれば、資金繰り計画表は簡単に作成できます。では、実際に夏場に資金繰りが厳しくなるA社を例に考えていきましょう。
(1)営業活動で生じる収入の予測を立てる
@売上高の予測
売上高は前期の月別損益を参考にし、これに今期の受注状況等を加味して予測します。
A売上の回収条件(売掛金、受取手形)の確認
A社の売上はすべて掛売りで、翌月に全額現金で回収します。つまり、A社は1ヶ月遅れで売上代金が入金されることになります。7〜9月の売上高と売掛金の回収予定は次の通りとなっています。

(2)営業活動で生じる支出の予測を立てる
@仕入高の予測
仕入高も売上高と同様に前期の月別損益を参考にし、これに今期の発注状況等を加味して予測します。
A仕入の支払条件(買掛金、支払手形)の確認
A社の仕入はすべて掛仕入で、翌月に全額現金で支払います。つまり、A社は1ヶ月遅れで仕入代金を支払うことになります。7〜9月の仕入高と買掛金の支払予定は次の通りとなっています。

ここで注意したいのは、同じ月の入金、出金であっても入金が後になってしまえば資金ショートが起こる可能性があることです。そのため、同月内においては、仕入代金の支払日を売上代金の入金日以降になるようにし、日々の資金に不足が生じないようにしておきましょう。
B販売費・一般管理費の予測
販売費・一般管理費や営業外費用(支払利息等)は毎月固定的に発生するものを拾い出し、その月平均額を算出します。この他に臨時的に発生する大きな経費(賞与等)があれば加えます。
A社の販売費・一般管理費は月平均で2,500千円です。また、支払利息が月平均で100千円あります。臨時的な経費として8月に夏季賞与1,000千円を予定しています。なお、お金を支出しない減価償却費は「一般管理費」に含めません。
(3)通常の営業活動以外で生じる収支の予測を立てる
@借入金の返済、預金の積立、税金や設備投資代金の支払等
A社では毎月100千円の借入元金の返済があり、その他7月には冬期賞与支払資金として借りた1,000千円の返済を行います。また、8月には法人税の支払が2,000千円予定されています。
A借入金の調達、定期預金や保険積立金の解約等
A社では8月に賞与と法人税の支払があり、収入だけでは資金が賄えないので定期預金1,000千円を取り崩す予定です。
来月は今回の数値を基にして、A社の資金繰り計画表完成までの手順をご紹介します。