前回はたな卸の評価方法について勉強した友達でした。今回はたな卸の評価損についての勉強です。
友達「こんにちは先輩、今日はたな卸の評価損についての勉強ですね。」 先輩「そうだったね。たな卸の評価損とはどのような場合に計上するもの かわかるかな?」 友達「えーっと、災害等でたな卸資産の価額が帳簿価額より安くなってし まった場合ですね。」 先輩「まあ、そういうことだけどね。じゃあ、詳しく勉強しよう。」 ┌評価損の計上──────────────────────────┐ │ 原則として税法上では会社が有する資産の評価換えをしてその帳簿価│ │額を減額した場合には、特別な場合を除いてはその減額した部分の金額│ │は、各事業年度の所得金額の計算上、損金の額に計上しないこととなっ│ │ています。 │ └────────────────────────────────┘ 友達「なるほど。では、特別な場合とはどのような事ですか?」 先輩「じゃあ、説明するよ。」 ┌特別な場合───────────────────────────┐ │ @たな卸資産が災害等で著しく損傷した場合。 │ │ Aたな卸資産が著しく陳腐化した場合。 │ │ B会社更生法の規定による更生手続の開始決定または商法の規定によ│ │ る整理開始の命令があったことにより、たな卸資産につき評価換え│ │ する必要が生じた場合。 │ │ Cこれらに準ずる特別な事実が発生した場合。 │ └────────────────────────────────┘ 先輩「ちょっと補足をさせてくれ。Aの著しく陳腐化Cこれらに準ずる特 別な事実というのは次のようなことを言うんだ。」 ┌著しく陳腐化とは────────────────────────┐ │たな卸資産そのものには物質的な欠陥がなく、経済的な環境の変化に伴│ │い、その価額が著しく減少し、価額が今後回復しないと認められる場合│ │で次のようなものが考えられます。 │ │・季節商品で売れ残った物について、今後通常の価額では販売できない│ │ ことが今までの実績やその他の事情に照らして明らかな場合。 │ │・形式、性能、品質等が今までのものより著しく異なる新製品が発売さ│ │ れたことにより、今後通常の方法では販売することができないように│ │ なった場合。 │ └────────────────────────────────┘ ┌これらに準ずる特別な事実とは──────────────────┐ │・破損、型崩れ、野ざらし、品質変化等により、通常の方法では販売す│ │ ることができないようになった場合。 │ │・和議法の規定による和議の開始決定があったことにより、評価換えす│ │ る必要が生じた場合。 │ └────────────────────────────────┘ 先輩「一般的に、たな卸の評価損を計上するには、経済的な変化に伴って その価値が著しく減少し、しかもその価額が今後回復しないと認め られる状態にある事実関係やその他物理的、科学的変化によって通 常の方法によっては販売することができない事実関係を証明しなけ ればならないんだ。だから、実務上はたな卸評価損の計上は非常に 難しいんだよ。」 友達「なるほど。そうしますと、単なるモデルチェンジや物価変動、過剰 生産等により、たな卸資産の時価が低下したというような場合は特 別な事実とはならず、損金の額にも算入できないわけですね。我が 社で扱っているパソコンソフトは進化の早いものが多いですから、 古くなって、通常価額では販売できないものが沢山あります。今後 は、たな卸評価損に該当するかを検討してみます。」
平成12年度の年金制度改正法が3月28日に成立しました。今回の年金制度改正の大きな目的は、年金給付を抑制し、少子・高齢化に伴う現役世代の保険料負担を抑えることです。今月号では今回改正された年金制度についてお知らせします。
1.年金給付の上昇を抑えるための改正
@60歳代前半に支給される二階建て年金の二階部分の給付水準引下げ
60歳から支給される厚生年金(報酬比例部分+定額部分の二階建て)のうち二階部分(報酬比例部分)の給付率が0.75%から0.7125%に引下げられます。この改正は平成12年4月以降に60歳になる方から適用されます。
A60歳代前半の老齢厚生年金の支給開始年齢の引上げ
現在60歳から支給されている二階建て年金の二階部分(報酬比例部分)の支給開始年齢が平成25年から段階的に引上げられます。60歳からの老齢厚生年金については既に基礎年金部分(定額部分)の支給開始年齢の引上げが決定されていましたが、今回の改正で二階部分も支給開始年齢が引上げられることになりました。今回の改正で将来的に60歳前半の老齢厚生年金は無くなることになりました。男性の場合昭和36年4月2日以降生まれの方は65歳からの支給になります。@とAの改正で将来もらえる年金の約2割が削減されることになりました。
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B60歳代後半の在職老齢年金制度の創設
現在の制度では在職中は厚生年金に65歳まで加入しなければなりま せんが、今回の改正で在職中は70歳まで厚生年金に加入し、保険料を負担することになりました。そして60歳から64歳の被保険者について実施している現在の在職老齢年金制度が拡大され、60歳代後半の人で一定額以上の給与等を得ている人について、新たに年金の一部又は全部の支給停止が行なわれることになりました。この改正は平成14年4月以降に65歳になる方から適用されます。
2.保険料の上昇を抑えるための改正
@保険料額(率)の据え置き
国民年金の保険料額が当面の間、前年と同じ月額13,300円に据え置かれることになりました。一方厚生年金の保険料率も17.35% (労使折半)で据え置かれることになりました。
A総報酬制の導入
現行の制度では、給与等について17.35%(労使折半)の一般保険料を、賞与について1%(労使折半)の特別保険料を負担しています。今回の改正で平成15年4月からは給与と賞与を合わせた総報酬に基づいて13.58%(労使折半)の保険料を負担することになりました。この総報酬制のもとでは現在賞与を夏・冬合わせて月給の3.6ヶ月分支給している企業では現在と保険料負担は変わらないと試算されていますが、それより現状の賞与が多いと現在よりも負担は大きくなり、逆に少ないと保険料負担は少なくなります。例えば月給が28万円、賞与が夏・冬合わせて6ヶ月(168万円)で年間給与収入総額504万円の人と、 給与が42万円、賞与の支給無しで同じく年間給与収入総額504万の人を比較すると下図のようになります。
| 賞与ありのケース | 賞与なしのケース | ||
| 改正前 | 給与の保険料 | 582,960円 | 874,440円 |
| 賞与の保険料 | 16,800円 | 0円 | |
| 合 計 | 599,760円 | 874,440円 | |
| 改正後 | 給与の保険料 | 456,288円 | 684,432円 |
| 賞与の保険料 | 228,144円 | 0円 | |
| 合 計 | 684,432円 | 684,432円 | |
B学生納付特例制度の創設
現在は実際に国民年金保険料を負担している両親の所得などによって学生の保険料が免除されていましたが、平成12年4月以降は学生本人の所得によって保険料免除が決定されます。またこの免除されていた期間の保険料は社会人になって働き出してから納付することが出来ます。
総報酬制の導入によって、社会保険の経営に与える影響は非常に大きくなります。今から導入に向けての準備を心掛けて下さい。
ここ数年で多額の郵便貯金が満期を迎えるといわれています。しかしゼロ金利政策、ペイオフ問題、相次ぐ金融機関の破綻などにより、行き場を失ったお金の流出先として、株式市場が今大きく注目されています。そこで今回は、私たちにとって身近になった株式の売却に関する税制改正について、ご説明します。
○どういう改正が行なわれるの?
株式を売却した場合には、売値(売った金額)の1.05%を売却時に差し引かれて納税が完了する「源泉分離課税」と、売却益(儲け)の20%を確定申告して納税する「申告分離課税」のいずれかを選択して納税することになっています。そのため現状では、多額の売却益のある株式を売却した場合には、ほとんどの方が納税額の少ない「源泉分離課税」を選択しています。ところが、平成13年4月以降取引されるものについては、この「源泉分離課税」の適用が廃止され「申告分離課税」一本とされることになりました。
○株式の売却時に課税される税金は?
それでは、6,000,000円で購入した株式を10,000,000円で売却したときに、前述した「源泉分離課税」と「申告分離課税」の2つの方式で税額がどのくらい異なるか比較してみましょう。(但し、株式売買手数料については考慮していません。実際の売買についてはご注意ください。以下の計算も同様。)
例>・源泉分離課税方式の場合
株式の売却額 税率 所得税額
10,000,000円 × 1.05% = 105,000円
・申告分離課税方式の場合
株式の売却額 株式の購入額 売却益
10,000,000円 − 6,000,000円 = 4,000,000円
売却益 所得税率 所得税額
4,000,000円 × 20% = 800,000円 (差額695,000円)
○この改正の対応策はないの?
今回の改正に伴い、国税庁は株式市場等で取引することを条件に「株式のクロス取引」を認めるという方針を決めました。ちょっと耳慣れない言葉ですが、クロス取引というのは、一度売却した株式をすぐに買い戻す取引のことです。平成13年3月までにこのクロス取引を活用して、将来の申告分離課税方式に対応することが出来ます。
○クロス取引をすることでどれだけ違うの?
クロス取引が有利になると予想されるケースは、概ね次の2点です。
1.相続やかなり以前に購入したなどの理由で、購入額が分からない株式を所有している場合
2.現在、所有株式に含み益があり、かつ売却時期が平成13年4月以降になる場合
例えば、相続で取得した購入金額の分からない時価1,000万円の株式を所有しているとしましょう。この株式を購入金額が分からないまま、何もしないで平成13年4月に1,000万円で売却した場合(申告分離課税のみ)と、平成13年4月前に一旦クロス取引を行い、源泉分離課税を利用して1,000万円で売却し、即時1,000万円で買い戻して(購入金額を確定させて)から平成13年4月に再度1,000万円で売った場合と、どれだけ税額が異なるか比較してみましょう。
以上の通りクロス取引を行なった後売却した場合の所得税額は105,000円となり1,795,000円も有利となります。ただし、株式市場は生き物です。必ずしも将来有利にならないケースも発生しますのでくれぐれも「自己責任」をお忘れなく。例>・何もしないで売却した場合(購入金額が分からない場合)
株式の売却額 概算取得費(売却額の5%) 売却益
10,000,000円 − (10,000,000円×5%) = 9,500,000円
売却益 所得税率 所得税額
9,500,000円 × 20% = 1,900,000円
・クロス取引を行った後売却した場合
クロス取引時の所得税(源泉分離課税適用)
株式の売却額 税率 所得税額
10,000,000円 × 1.05% = 105,000円
平成13年4月売却時(申告分離課税に一本化)
株式の売却額 株式の購入額 売却益
10,000,000円 −10,000,000円 = 0円(従って税額も0円)
社長のための『FX2活用講座』も今回で5回目を迎えました。これまでは、売上高や利益をもとに自社は儲かっているか否か、また、儲かっていないのなら何が原因なのかを追求することに焦点を当ててきました。しかし、企業を運営していくためにはこれだけでは解決できない問題があります。それが「資金繰り」です。
「黒字倒産」という言葉をご存知でしょうか。倒産するのは赤字企業だけではありません。現在、ほとんどの企業が掛や手形等の信用取引を行なっており、売上代金が実際にお金として入金されるまでに時間がかかっています。このため、順調に売上を上げていても代金が回収されるまでの間の支払を賄うお金がなければ経営に行き詰まってしまうのです。
このようなことを防ぐためには、常に資金の見通しを立て、早めに手を打つことに限ります。そこで、今回はFX2 for Windowsを利用しているA社の「資金繰り実績表」を見ながら、資金繰り表の仕組みについてご紹介していきます。

まず、メニューの中から「31.資金繰り実績表」を選択します。すると7つの収支区分に分類された「資金繰り実績表」(図1)が表示されます。各収支区分の内訳は、表1の通りですが、収支区分の左の行番号をクリックすることで内訳金額を確認することができます。収支区分が7つに区分されている理由は、営業活動によって得た資金の残りをどのように運用したか、また、資金が不足したときにはどのように補ったかを明確にするためです。
(注)この資金繰り実績表は毎日の取引伝票をもとに集計されます。ご利用になりたい場合には弊社までお問い合わせ下さい。
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@経常収入 |
現金売上 売掛金入金 受取手形取立 手形割引 前受金入金 営業外収益 |
B決算設備等支出 |
償却資産(機械)購入 工具器具 車両運搬具 敷金・権利金 法人税等支払 |
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C借入金返済 |
短期借入金返済 長期借入金返済 |
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A経常支出 |
現金仕入 買掛金支払 支払手形決済 工場経費 外注加工費 労務費 事務所経費 支払利息 旅費交通費 接待交際費 地代家賃賃借料 |
D資金運用等 |
定期性預金預入 有価証券購入 投資等 |
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E借入金調達 |
短期借入金の調達 長期借入金の調達 |
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F他の財務等収入 |
定期性預金取崩 有価証券売却 償却資産売却 |
では、図1の「A社の資金繰り実績表」をもとに平成12年5月の収支を確認してみましょう。図1を見ますと、次のことが分かります。
なぜ、A社では5月の経常収支が4,000千円もマイナスとなってしまったのでしょうか。原因究明したところ、5月に入金予定であった得意先B商店への売掛金約6,000千円が回収されていないことが判明しました。早速、営業担当者を呼び大至急集金するように指示をしました。では、A社はこの経常収支の不足分4,000千円をどうやり繰りしたのでしょうか。図1を御覧下さい。まず、不足金4,000千円の内2,000千円は取引銀行からの借入金で賄いました。次に、残りの2,000千円を前月からの繰越金3,000千円の中から補ったことが分かります。その結果、月末の資金有り高が1,000千円に減少してしまっています。┌───────────────────────────────┐ │(1)経常収入から経常支出を差し引いた過不足(A)が△4,000千円発 │ │ 生している │ │(2)借入金調達が2,000千円発生している │ │(3)資金有り高が月初3,000千円から月末1,000千円に減少している │ └───────────────────────────────┘
以上がA社の5月の資金繰りの結果です。しかし、資金繰りは結果よりも将来の予測の方が重要です。6月以降のA社の資金繰りはどうしてゆくのか、改善すべき点はないか、万一得意先のB商店が倒産した場合には資金は足りるのかを検討するためには「資金繰り計画表」が必要です。次回は、この具体的な作成方法についてご紹介していきたいと思います。