すぐそこにある危機 企業防衛を考える。

 経営の究極の目的は、会社を継続させることといわれますが『言うは易く行うは難し』という諺のとおり、簡単なことではありません。企業は突然発生する事件や事故、取引先の倒産など多くのリスク(経済的損失)に遭遇する可能性があります。どんなことが起きても会社を継続させるために、リスクマネジメント(危機管理)が必要になるのです。

■ 自社にとってのリスクとは?

 リスクは会社の規模、業種、場所などによって異なり、その重要性や対応の優先順位が変わります。例えば、製造関係であればPL(製造物責任)が重要になりますが、運送関係の会社であれば自動車事故による賠償がより重要となるでしょう。このように、まず自社のリスクを把握します。そして、リスクに襲われたときのダメージの大きさによって、そのリスクに対処する優先順位を決定します。

財産損失 火災・地震・台風などによる建物などの財産に対する損害
収入減少 取引先の倒産・製品の欠陥による製品回収などによる減収
賠償責任 製造物責任(PL)、自動車事故などの第三者への賠償
人的損失 社長、幹部社員などの傷病や死亡、業務上災害などの補償

 特に中小企業にとっては、社長自身が最大のリスクという場合がほとんどです。なぜなら社長は最高の営業マンであり、現場管理者であり、技術者であり、信用であり、財産だからです。もちろん、従業員や家族に支えられなければ、その力は発揮できませんが『あの社長が作るものだから(言うことだから)信頼できる』と思い、取引を行う企業や金融機関も多いはずです。万一、社長に何かあったら・・・とは考えたくありませんが、会社の存続を揺るがしかねない大きなリスクであることを認識しておく必要があります。

■ リスクにどう対応すべきか?

 リスクに対応するには、第一にリスクの可能性がある行為そのものを回避する方法があります。例えば、倒産の可能性が高い取引先とは、いくら義理があっても取引を中止することも時には必要です。第二に損害の発生する頻度を減少させる方法です。例えば、品質管理を徹底したり、機械の故障を予防するために定期点検を実施するなどです。第3にリスクを外部に分散させる方法です。作業工程の一部を下請企業に委託したり、保険によって損失や法的責任を転嫁させるのです。しかし、すべてを保険に頼るとなると膨大なコストがかかってしまいます。リスクを回避するために会社に重い負担を強いては本末転倒ですので、最小限のコストでリスクを処理する方法を検討しなければなりません。

■ 自社の必要保障額はいくら?

 では、実際に必要保障額がいくらになるか考えてみましょう。例えば、建物や営業車ならば、当初購入したのと同じくらいの資金が必要になります。これ以外にも火災や事故などによって営業を停止することになった場合は、その期間の維持費用も用意しておかなければなりません。たとえ収入がゼロになったとしても、社員の給与、借入金の返済、手形の支払いなどは発生します。仮に工場が火災となり、新たな工場を建築するのに6カ月かかる場合、毎月の維持費用が100万円ならば、6ヶ月で600万円の資金が必要になります。また、無念にも会社を閉めることになった場合には、最低でも下記のような金額が必要となります。

月間維持費用 閉鎖までの準備期間
1.閉鎖準備期間の維持資金
万円
×
万円
万円

借入金残金
リース残金
2.借 入 返 済 資 金
万円
万円
万円

1、2の合計額
税負担調整率
3.上記1、2に対応する必要保障額
万円
÷
万円
万円
4.退 職 金(社長及び従業員)
万円


★必 要 保 障 額
万円
万円
万円

 今までの蓄えが何億円もあるというのなら話は別ですが、資金的に余裕がない場合は、少ない資金で必要な保障を受けるには保険を上手に活用する以外方法はありません。これは保険が好きだ嫌いだという次元の問題ではありません。リスクを回避しておかなければ、万一の時はたちまち資金に窮して倒産に追い込まれる危険があるのです。もし社長に万一のことがあっても当面の資金が確保できていれば、後継者に事業を引き継ぐ時間もできますし、何より倒産という最悪の事態から大切な家族や従業員を守ることができるのです。リスクマネジメントの基本は少ないコストで、どうやって会社を守るかということなのです。
 
source : info/news04113.htm
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